投資法人の機能は、ファンドの受け皿と投資者の集団的な意思決定に純化されており、投資法人の意思決定は、基本的には”4つのフレーム“に基づいて行われている。
1つめのフレームは「証券化の仕組み」(証券化フレーム)である。
「証券化の仕組み」によって、ファンドの公正な運営と投資家保護の仕組みが形成されている一方、リートは不動産・金融商品としてのリスクのほかに運用の多くの場面で外部運用型の構造による利益相反リスクが存在する。
金商法では、自己又は第三者の利益を図るため投資法人の利益を害することとなる取引を行うことが明示的に禁止されているが(金商法42条の2、同44条の3)、資産運用会社が利益相反を適切に管理できていなければ、証券化手法は単なる事業用不動産のリスク転嫁手段として利用され、投資家に多くのリスクが集中することになる。
本来、投資法人・資産運用会社には一定の法的義務や行為規制が課せられ、投資家保護が実効性のあるものとして機能する仕組みであるが、資産運用会社による運用裁量の逸脱や形式的・画一的な情報開示によって投資家保護の機能が弱まっている。
「証券化の仕組み」は、法改正等以外では変わることのない枠組み(フレーム)で、投資法人・資産運用会社・投資家は変更することができないフレームである。
ここでは、「証券化の仕組み」について整理する。